
①身辺整理の定義と「生前整理」・「遺品整理」の違い
身辺整理とは何か?
「生前整理・遺品整理とは?」決定的な違い
②財産・契約の「見える化」と法的基盤の構築
財産目録の作成と財産管理の「見える化」
負債と契約の整理・解約
法的契約による財産管理の委任
医療・介護の意思決定と記録
尊厳死宣言公正証書(リビング・ウィル)
エンディングノートの作成と活用
③デジタル終活と「見えない財産」の整理
デジタル資産とアカウントのリスト化
パスワードの安全な保管と委任
④死後事務の手配と遺言による意思の確定
死後事務委任契約の締結
遺言書の作成(公正証書遺言の作成)
生前整理は「人生の棚卸し」と「安心の投資」
身辺整理(終活)は、単なる老後の趣味や片付けの域を超え、ご自身の人生の尊厳を守るための必須のセーフティーネットです。身近に頼れる親族がいないおひとりさまの場合、病気や認知症で入院・施設入居が必要になった時、または亡くなった後に、ご自身の意思が誰にも伝わらず、財産や契約が放置されてしまうという深刻なリスクがあります。
このリスクを回避し、最期まで安心して暮らすためには、財産、契約、医療、そしてデジタルという多岐にわたる領域を網羅した体系的な身辺整理が不可欠です。この記事では、独居老人の方が今すぐ始めるべき身辺整理の具体的な手順を、各ステップの法的・実務的な解説を含めて徹底的にガイドします。
目次
①身辺整理の定義と「生前整理」・「遺品整理」の違い
まず、身辺整理を進める上で基本となる用語の定義を明確にしておきましょう。
身辺整理とは何か?
身辺整理とは、一般的に「終活」と同義で使われ、人生の終わりを見据えて、身の回りのことや財産、デジタル情報、医療の希望などを整理し、将来の手続きを定めておく活動全般を指します。これは、ご自身が安心するための準備であると同時に、亡くなった後の第三者への負担を軽減する「思いやり」の行為でもあります。
「生前整理・遺品整理とは?」決定的な違い
身辺整理の中で、物の整理に関する言葉として「生前整理」と「遺品整理」があります。これらは行う主体とタイミングが全く異なります。
| 生前整理 | 遺品整理 | |
| 行う主体 | ご本人(生きている間) | 親族や専門業者(亡くなった後) |
| 目的 | 自分の残りの人生を快適に過ごすため、死後の手間を減らすため | 故人の遺した品を整理・処分し、賃貸物件の明け渡しや相続手続きを進めるため |
| 作業範囲 | 物品の処分、財産目録の作成、契約の見直し、意思決定 | 故人の所有物の選別、処分、形見分け、重要書類の捜索 |
おひとりさま高齢者の場合、遺品整理を依頼できる親族がいないことが多いため、生前整理を徹底し、死後事務を委任する専門家や業者に負担がかからないようにすることが極めて重要となります。
②財産・契約の「見える化」と法的基盤の構築
おひとりさまの身辺整理において、最もリスクが高いのが財産の凍結と契約の放置です。財産管理は、ご本人の生活費や医療費を確保するための生命線となります。
財産目録の作成と財産管理の「見える化」
全ての財産を一覧化し、どこに、どれくらいの資産があるかを明確にします。この目録は、将来の任意後見人や遺言執行者にとって、管理の基盤となります。
- 預貯金・金融資産:全ての銀行名、支店名、口座番号、名義、残高、通帳やキャッシュカードの保管場所。ネット銀行の場合は、アクセス情報も必須です。
- 不動産:所有する土地や建物(自宅、賃貸物件など)の所在、固定資産評価額、権利書(登記識別情報)の保管場所。
- 有価証券・保険:証券会社名、株や投資信託の内容、生命保険や医療保険の会社名、証券番号、受取人。特に保険金受取人が適切かを確認します。
- 年金・公的給付:年金証書、受給額、振込先の口座情報。
負債と契約の整理・解約
- 負債の把握:ローンや借入金の残高、契約書を整理し、万が一の際の精算方法を決めておきます。
- 不要な契約の解約:利用していないクレジットカード、月額課金のサブスクリプションサービス、新聞の購読契約などは、元気なうちに全て解約します。使途不明金や死後の自動引き落としを防ぐためです。
法的契約による財産管理の委任
財産が放置されたり、ご自身の意思と異なる使い方をされたりすることを防ぐため、法的な効力を持つ契約を締結します。なお、遺言書の作成、任意後見契約の締結、財産管理委任契約の締結も認知症になってしまうと、その効力が無効になってしまう可能性もありますので、早めに作成いただくことを推奨させていただいております。
- 任意後見契約の締結:ご本人の判断能力があるうちに、将来の判断能力低下に備えて、財産管理や施設入居に関する手続きを誰に委任するか(任意後見人)を決定し、公正証書で契約します。これにより、ご自身の意向に沿った老後の生活設計が可能になります。
- 財産管理委任契約:任意後見が発効する前の段階で、病気や怪我などで一時的に体調が思わしくない際の日常的な金銭管理や事務手続きを専門家などに委任する契約です。
医療・介護の意思決定と記録
終末期の医療や介護の希望を明確にしておくことは、ご自身の尊厳を守り、延命治療の是非などで周囲に判断を委ねる事態を防ぎます。
尊厳死宣言公正証書(リビング・ウィル)
延命治療を拒否する意思を法的に有効な形で残すための公正証書です。回復の見込みがない場合に、管や薬による生命維持措置を望まないことを明確にし、医療機関に伝える意思表示となります。これにより、ご自身の最期の迎え方を自己決定できます。
エンディングノートの作成と活用
法的な効力はありませんが、医療や介護に関する細かな希望(アレルギー情報、かかりつけ医、希望する施設や介護サービス、延命治療以外の要望など)を詳細に記載します。これは、任意後見人や医療従事者がご本人の意思を尊重したサポートをするための、「生きた情報源」となります。どこに保管しているかを明確にしておきましょう。
③デジタル終活と「見えない財産」の整理
デジタル技術の進化に伴い、パスワード不明によるアカウントの放置や、デジタル資産の喪失が大きな問題となっています。
デジタル資産とアカウントのリスト化
インターネットバンキング、仮想通貨、ネット証券などのデジタル資産の有無と、アクセスに必要なID・パスワードをリスト化します。また、メール、SNS、クラウドサービスなどのアカウントも全て把握し、サービスごとに残すか消すかの意向を定めます。
パスワードの安全な保管と委任
これらのID・パスワードは、エンディングノートや委任文書にそのまま記載するのはセキュリティ上のリスクが伴います。
- 保管方法の検討:信頼できる死後事務受任者にのみ開示できる特定の方法で保管するか、あるいはデジタル遺品整理サービスを利用し、死後のアカウント削除やデータ消去を依頼することを検討します。
- アカウントの整理:不要なアカウントは元気なうちに解約し、利用頻度の低いものはパスワードを統一するなど、管理を簡素化します。
④死後事務の手配と遺言による意思の確定
独居老人にとって最も重要で、かつ早急に手配すべきなのが、ご自身の死後の手続きです。これは、親族がいないために発生する「事務手続きの空白」を埋めるための準備です。
死後事務委任契約の締結
ご自身の死後に発生する事務手続きを、あらかじめ指定した受任者(専門家や法人)に委任する契約であり、おひとりさまによる死後事務委任契約も増えています。
- 契約範囲:病院からの遺体引取り、火葬・埋葬手続き、役所への死亡届提出、賃貸住宅の解約と遺品整理、公共料金の解約、未精算の利用料の支払い、ペットの新たな飼い主探しなど、多岐にわたります。
- 預託金:事務を行うための費用(葬儀費用、清算費など)は、受任者による安全な管理体制(信託契約など)のもとで準備することが重要です。
遺言書の作成(公正証書遺言の作成)
おひとりさまの財産を特定の個人や法人(お世話になった知人、団体など)に遺贈するために、公正証書遺言を作成します。これにより、財産を誰にどのように残したいかというご自身の最後の意思が、法的に確実な形で実現されます。遺言がない場合、最終的に財産が国庫に帰属する可能性が高くなります。
- 遺言執行者の指定:遺言の内容を確実に実行してくれる遺言執行者(弁護士、司法書士など)を遺言書で指定しておくことで、財産の手続きがスムーズに進み、親族や関係者の手間を大幅に軽減できます。
生前整理は「人生の棚卸し」と「安心の投資」
独居老人の身辺整理は、ご自身の財産と人生を俯瞰し、不要なものを手放し、必要な手続きを整備する「人生の棚卸し」そのものです。生前整理を通じて物理的な負担を減らし、法的・デジタル的な準備を整えることで、万が一の時の不安を解消し、誰にも迷惑をかけず、安心して最期まで尊厳を持って暮らすことが可能となります。
あかり保証が選ばれる理由
・法律の専門家によるあんしん体制
あかり保証は、弁護士・司法書士といった法律の専門家、看護師・ケアマネージャーといった医療・介護の専門家と連携して安心と信頼のサービス提供を行っています。特にトラブルが発生しやすい契約書締結の場面では、法律の専門家である弁護士・司法書士が重要事項の説明や契約書の作成交付等のガイドラインを遵守し、それに加えて、契約書を公正証書化する等、ご利用者様が安心してサービスを享受できるように尽力することでリスクを極限まで減らします。
また、契約締結後、サービスの提供場面においても弁護士監修の下、看護師・ケアマネージャー等の医療・介護の専門家もチームとなって、ご利用者様一人ひとりのニーズに応じた包括的で高品質なサポートを提供します。
・無駄のなく、わかりやすい料金
通常、多くの身元保証サービス事業者は、弁護士が運営母体ではないため、弁護士や司法書士に契約書作成業務等を外注するため、不透明な料金設定となることが多いのですが、私たちは弁護士・司法書士が直接サービスを提供しています。そのため、外注費用がかからず、料金もわかりやすくサービスを提供することが出来ます。
・個別的な財産管理
お預かりした財産は、お客様ごとに個別に信託口座を設定し、個別に信託口座で管理するため、他のお客様の財産との混同がないように努めます。また契約に基づいて、財産状況をお客様に定期的にご報告いたします。このようにお客様の大切な財産がしっかり守られるようにしています。
・公平で誠実なサービス提供
身元保証サービス事業者の中には、ご利用者様の弱みにつけこんで寄付遺贈を受け取る事業者が存在しています。寄付遺贈が悪いわけではございませんが、お客様が当社に対し、不公平感、不信感を抱かないように、一切の寄付遺贈をいただかない運営をしています。
・業界の健全化に関与(業界団体への参画)
身元保証業界には業界団体もありませんでした。あかり保証は、2025年2月に有志の6社とともに全国高齢者等終身サポート事業者協会準備委員会を発足し、2025年11月に業界初の全国規模の業界団体「全国高齢者等終身サポート事業者協会」を設立し、官公庁・各業界団体とも連携して、業界の健全化に取り組んでいます。
■お問合せフォーム
https://www.akarihosho.jp/contact/
■関連記事(身元保証とは?優良な事業者の基準は?【おひとりさまの終活】)
https://www.akarihosho.jp/column/887
■あかり保証代表の弁護士清水勇希が出演
【モト冬樹と考える終活のリアル】“老後ひとり難民”どう備える? モト冬樹×沢村香苗×清水勇希 2025/11/28放送<前編>【BSフジ プライムニュース】
監修者
■株式会社あかり保証 代表取締役・弁護士 清水 勇希(YUKI SHIMIZU)
2016年11月司法試験予備試験合格(大学4年時、21歳時)、2017年3月立命館大学法学部卒業(首席で修了)。2018年弁護士登録(大阪弁護士会)。
2021年~2023年大阪女学院大学・短期大学非常勤講師。2022年~2023年立命館大学非常勤講師(民事訴訟法)。2023年~ 立命館大学エクステンションセンター 法科大学院(ロースクール)講師。2023年~株式会社エアトリ(東証プライム) 社外監査役。2024年~医誠会国際総合病院「観察・介入研究倫理審査委員会」外部委員。
「身元保証業界を変えたい」「身寄りのない高齢者の方に、信頼かつ安心のあるサービスを提供し、一番頼りになる存在となりたい」と思い、株式会社あかり保証を創業。




