親族や頼れる人が近くにいない「おひとりさま」にとって、終活は「自分の人生の幕引きをどうするか」を決定し、将来の不安を解消するための最も重要な準備です。

 終活をしないままでは、病気や認知症で判断能力が低下したとき、あるいは亡くなった後に、ご自身の意思が反映されず、希望とは異なる医療や葬儀が行われたり、財産が放置されたりするリスクがあります。

 この記事では、「おひとりさま」が特に力を入れるべき終活の3つの柱と、その具体的な進め方を解説します。

 終活の3つの柱 おひとり様が最優先すべきこと

 おひとりさまの終活は、「誰に何を託すか」という委任の準備が中心となります。

終活の柱目的必要な手続き
①医療・介護自分の意思が反映された医療・介護を受ける任意後見契約、尊厳死宣言公正証書、エンディングノート
②財産管理財産を安全に管理し、必要な支払いに充てる任意後見契約、財産管理委任契約、遺言書
③死後事務亡くなった後の手続きを確実に行ってもらう死後事務委任契約、遺言書

 

①医療・介護の意思を託す 最期の迎え方の決定

 判断能力を失った後に、延命治療の希望や施設入居の契約など、重要な決定を誰に委ねるかを明確にしておきます。

・任意後見契約の締結

 元気なうちに、将来、判断能力が低下した場合の財産管理や生活・療養看護に関する事務を託す相手(任意後見人)と、その支援内容を契約(公正証書)で定めます。これにより、ご自身が望む介護施設への入居手続きなどもスムーズに行えます。

 尊厳死宣言公正証書(リビング・ウィル)の作成

 延命治療を拒否する意思を法的に有効な形で残すための公正証書です。病気などで回復の見込みがない場合に、管や薬による生命維持措置を望まないことを明確にすることで、尊厳死の意思を医療機関に伝えることができます。

・エンディングノートの活用

 法的な効力はありませんが、医療や介護に関する細かな希望(好きな食べ物、連絡してほしい友人、かかりつけ医など)を記載することで、任意後見人や医療従事者がご本人の意思を尊重したサポートをしやすくなります。

 

②財産管理と相続【財産を放置させない仕組み作り】

 おひとりさまの財産は、放置されると凍結され、誰も引き出せなくなり、必要な医療費や施設費用に充てられなくなるリスクがあります。なお、遺言書の作成も財産管理委任契約も認知症になってしまうと、その効力が無効になってしまう可能性もありますので、早めに作成いただくことを推奨させていただいております。

 財産管理委任契約の活用

 任意後見契約が発効する前の段階で、体調不良や怪我などで一時的に判断能力が低下した際の一時的な財産管理や事務手続き(家賃や公共料金の支払いなど)を委任する契約です。日常的な金銭管理を任せたい場合に有効です。

 遺言書の作成(公正証書遺言)

 ご自身の財産を誰に、どれだけ相続させるかを法的に確定させるために必須の手続きです。親族がいない場合、財産は最終的に国庫に帰属してしまいます。

  • 遺贈:財産を特定の個人や法人(お世話になった知人、慈善団体など)に遺贈することを指定できます。
  • 遺言執行者の指定:遺言の内容を確実に実行してくれる遺言執行者(弁護士、司法書士など)を遺言書で指定しておくことで、死後の財産手続きが円滑に進みます。

 

③死後事務の手配「誰にも迷惑をかけたくない」を実現

 最も不安が大きいのが、ご自身の死後の葬儀、納骨、賃貸契約の解約といった死後事務です。

 死後事務の不安を解消する2つの法的対策

 おひとりさまが自分の死後の手続きを確実に実行してもらうための主な法的手段は、「死後事務委任契約」と「任意後見契約」の活用です。

 対策1 死後事務委任契約の締結

 死後事務委任契約は、ご自身の死後に発生する事務手続きを、あらかじめ指定した受任者(専門家や法人など)に委任するための契約です。

  • 契約の範囲:委任する事務の内容は自由に設定できます。上記の「葬儀・供養」「行政・法務」「財産整理」などから、必要な項目を選んで契約します。
  • 契約相手:弁護士、行政書士、司法書士といった専門家、または身元保証代行サービスを運営する法人に依頼するのが一般的です。
  • 契約の効力:この契約は、ご本人が亡くなった時点で効力を発揮します。
  • 金銭の準備:受任者が事務を行うための費用(葬儀費用、家賃の清算費など)をあらかじめ預託金として預け、それを安全に管理してもらう仕組みが必要です。

 対策2 任意後見契約の活用

 任意後見人とは、将来の判断能力が低下した際に、本人に代わって財産管理や身上監護を行う人です。ご自身の判断能力が低下した際の財産管理や生活支援について、あらかじめ選任し、契約内容を決めておくことが重要です。

  • 死後事務との関係:任意後見人の職務は、本人の生存中の支援が中心であり、原則として死後事務は職務外です。
  • 賢い使い方:任意後見契約と死後事務委任契約をセットで専門家と結ぶことで、生前の財産管理から死後の手続きまで、切れ目なくサポートを受ける体制を構築できます。

 安心できる「死後事務の専門家・受任者」の選び方

 誰に大切な死後事務を任せるかという「受任者」選びは最も重要です。以下の点を参考に、信頼できる相手を見つけましょう。

1.専門性と実績

 弁護士など、死後事務や相続に強い専門家の利用を検討しましょう。

2.費用の透明性

 契約にかかる報酬と、事務を行うために預ける預託金(実費)の管理方法が明確で、費用体系が透明であるかを確認します。

3.預託金の保全体制

 預けた葬儀費用や清算金などが、万が一受任者が倒産した場合にも保全されるよう、信託契約などを利用した安全な管理体制が取られているかを確認しましょう。

4.死後の希望の確認

 ご自身の葬儀の形式、納骨先、遺品整理の方法など、具体的な希望を詳細にヒアリングし、契約書に反映してくれるかを確認しましょう。

 今日から始める「おひとりさま終活」のステップ

 死後事務の手配は、決して難しいことではありません。以下のステップで準備を進めていきましょう。

  1. 現状の洗い出し:現在の財産(預金、保険、不動産)、負債、契約しているサービス(携帯電話、サブスクリプションなど)をリストアップします。
  2. 希望の明確化:葬儀やお墓、遺品の処分、賃貸契約の解約など、ご自身が望む死後事務の内容を具体的に決定します。
  3. 専門家への相談:洗い出した情報と希望を基に、弁護士などの専門家に相談し、死後事務委任契約の具体的なプランを検討します。
  4. 文書化の徹底:エンディングノートや遺言書、そして死後事務委任契約書を作成し、ご自身の意思を法的かつ明確な形で残します。

 「おひとりさま」「おふたりさま」の終活は、誰にも迷惑をかけず、ご自身の最期の希望を実現するための大切な準備です。この完全ガイドを参考に、一歩ずつ不安を解消していきましょう。

あかり保証が選ばれる理由

・法律の専門家によるあんしん体制

 あかり保証は、弁護士・司法書士といった法律の専門家、看護師・ケアマネージャーといった医療・介護の専門家と連携して安心と信頼のサービス提供を行っています。

 特にトラブルが発生しやすい契約書締結の場面では、法律の専門家である弁護士・司法書士が重要事項の説明や契約書の作成交付等のガイドラインを遵守し、それに加えて、契約書を公正証書化する等、利用者が安心してサービスを享受できるように尽力することでリスクを極限まで減らします。

 また、契約締結後、サービスの提供場面においても弁護士監修の下、看護師・ケアマネージャー等の医療・介護の専門家もチームとなって、利用者一人ひとりのニーズに応じた包括的で高品質なサポートを提供します。

・無駄のなく、わかりやすい料金

 通常、多くの身元保証サービス事業者は、弁護士が運営母体ではないため、弁護士や司法書士に契約書作成業務等を外注するため、不透明な料金設定となることがが多いのですが、私たちは弁護士・司法書士が直接サービスを提供しています。そのため、外注費用がかからず、料金もわかりやすくサービスを提供することが出来ます。

・個別的な財産管理

 お預かりした財産は、お客様ごとに個別に信託口座を設定し、個別に信託口座で管理するため、他のお客様の財産との混同がないように努めます。また契約に基づいて、財産状況をお客様に定期的にご報告いたします。このようにお客様の大切な財産がしっかり守られるようにしています。

・公平で誠実なサービス提供

 身元保証サービス事業者の中には寄付遺贈を受け取る事業者が存在しています。寄付遺贈が悪いわけではございませんが、お客様が当社に対し、不公平感、不信感を抱かないように、一切の寄付遺贈をいただかない運営をしています。

・業界の健全化に関与(業界団体への参画)

 身元保証業界には業界団体もありませんでした。あかり保証は、2025年2月に有志の6社とともに全国高齢者等終身サポート事業者協会準備委員会を発足し、2025年11月に業界初の全国規模の業界団体「全国高齢者等終身サポート事業者協会」を設立し、官公庁・各業界団体とも連携して、業界の健全化に取り組んでいます。

■お問合せフォーム

https://www.akarihosho.jp/contact/

■関連記事(身元保証とは?優良な事業者の基準は?【おひとりさまの終活】)

https://www.akarihosho.jp/column/887

監修者

■株式会社あかり保証 代表取締役・弁護士 清水 勇希(YUKI SHIMIZU)

 2016年11月司法試験予備試験合格(大学4年時、21歳時)、2017年3月立命館大学法学部卒業(首席で修了)。2018年弁護士登録(大阪弁護士会)。 2021年~2023年大阪女学院大学・短期大学非常勤講師。2022年~2023年立命館大学非常勤講師(民事訴訟法)。2023年~ 立命館大学エクステンションセンター 法科大学院(ロースクール)講師。2023年~株式会社エアトリ(東証プライム) 社外監査役。2024年~医誠会国際総合病院「観察・介入研究倫理審査委員会」外部委員。
 「身元保証業界を変えたい」「身寄りのない高齢者の方に、信頼かつ安心のあるサービスを提供し、一番頼りになる存在となりたい」と思い、株式会社あかり保証を創業。