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超高齢化社会に伴う社会問題 ―老後ひとり難民―
2025年に、75歳以上の人口が全人口の約18%となる超高齢化社会の日本では、現在、1年間に亡くなった人の15人に1人が身寄りのない人、身元が分からない人(無縁遺骨)として行政による火葬がされています。
我が国においては、高齢者の1人暮らし世帯数の増加に加え、高齢者の未婚者数も増加しており、家族がいない、家族はいるが頼れる家族がおらず、いわゆる「老後ひとり難民」となる高齢者の方が激増していくことが見込まれます。
身元保証(高齢者等終身サポート事業)とは
「身元保証」という言葉はご存じでしょうか。身元保証とは、家族がいない、家族はいるけれども頼れる家族がいない身寄りのない高齢者の方のために、家族の代わりに身元保証人、連帯保証人となるサービスです。例えば、95.9%の老人ホームは、契約時に本人以外の署名を求めています。このような場合に、家族に代わって署名を行ったり、入居手続きを行うのが身元保証です。他にも、亡くなった場合の死亡届けや火葬等の手続き、住んでいた家の片づけ等その需要は多岐にわたります。
ケアマネジャーケアマネジャーの大きな負担と打開策
もっとも、このような身元保証サービスは、従来、ケアマネジャーの方々が無償で行っていました。しかし、ケアマネジャーの本来の業務は、介護保険サービスを利用できるようにサポートすることです。日常的な安否確認や買い物・掃除等の家事、救急車への同乗等はケアマネジャーの本来業務には含まれません。業務外のサービスを、無償で行うことによる、ケアマネジャーの負担も限界を迎えつつあります。加えて、ケアマネジャーの従業者数(実数)は、大幅に減少傾向にあり、受験者数及び合格者も減少しているため、人手不足も深刻化すると考えられています。政府も、このようなケアマネジャーの増大する負担と、人手不足による介護事業者の経営圧迫に対応するため、「ケアマネジメントに係る諸問題に関する検討会」を実施し、協議を進めています。
令和6年12月12日付けで公表された「ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会 中間整理」では、以下のように、死後事務については、身元保証事業者(高齢者等終身サポート事業者)等に外部委託し、ケアマネジャーの業務負担を軽減するといった対応が想定されています。

ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会中間整理
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001352230.pdf
政府も対応を進めているものの、未だに実行的な解決策は見出されていません。このような状況の中、注目を集めているのが「身元保証事業者」という選択です。直近3年間で、事業者数は全国で200~300事業者も増加しており、現在の事業者数は、全国400事業者にもなります。激増している身元保証事業者ですが、この事業分野については法整備が全くなされておらず、様々な問題も発生しています。
身元保証事業者による悪質な事案 ―公益財団法人日本ライフ協会破綻事件―
この事件は、身元保証事業者が、サービスを受けるために預けていた契約者の金銭のうち、2億7000万円を超える金額を、事業に流用していたことが発覚した事案です。倒産時点において、負債総額は約12億円、15都道府県に事務所があり、契約者は約2600人にものぼっていました。日本ライフ協会は、公益財団法人の認定を取得していたにもかかわらず、その実態は、ずさんなものでした。すなわち、公益認定申請時において、会員との契約に際しては、預託金の保管者として法律専門家を介在させる「三者契約」の方法だけを用いることを、事業計画の内容としていました。しかし、実態は、公益認定を受けるや直ぐに、監督官庁である内閣府に無断で、法律専門家の介在なしに、会員と「二者契約」の方法による契約を結ぶようになっていたのです。これにより、約150万円全額を同協会が受け取れるようにしていたのです。
■参考文献
神戸六甲わかば司法書士事務所「「身元保証」ビジネスの影 ~公益財団法人日本ライフ協会の事件をとおして~」
http://wakaba-office.biz/column/20160428.html
優良な事業者の必要性
悪徳事業者によるトラブルの例は、他にもたくさんあります。例えば、お客様の財産管理方法が不適切(信託口座を使用しない)、ホームページやパンフレットには、士業による運営であることがアピールされているにもかかわらず、契約締結時・サービス内容説明時に一切弁護士が出てこない、弁護士の肩書のみを使い、実際の運営は弁護士以外が行っている等の存在が報告されています。
このようなトラブルの報告を受けて、政府からは「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」が制定され、優良な事業者を求めている状況にあります。もっとも、このガイドラインには罰則規定はなく、あくまで優良な事業者の基準を定めるものです。そのため、事業者自身が、優良な事業者として、適切な契約締結・履行、体制作りを行っていくことが極めて重要になります。
優良な事業者として「あかり保証」という選択肢を
「あかり保証」は、運営母体が弁護士・司法書士等の士業という、数少ない高齢者等終身サポート事業者です。契約時の説明・実際の業務についても、士業によってなされています。また、士業が母体となることで、公正証書の作成等の契約手数料を外部委託する必要がなく、自社で対応可能なため、シンプルかつ手頃な料金体系でサービスを提供することができます。加えて、利用者様の預託金は、信託口座で管理しているため、万が一の場合でも安全に保管されます。さらに、大手身元保証事業と異なり、「あかり保証」は寄付を一切頂戴しておりません。
政府のガイドラインの全事項を遵守している「あかり保証」は、医療同意についても、あかり保証内の看護師・ケアマネジャーが対応する等、利用者様の意向に寄り添った幅広いサービスをご提案しております。
身元保証に関する相談などは、下記からお気軽にお問合せください。ご相談料は無料で、弁護士・司法書士が対応いたします。
監修者
■株式会社あかり保証 代表取締役 弁護士 清水 勇希(YUKI SHIMIZU)
2016年11月司法試験予備試験合格(大学4年時、21歳時)、2017年3月立命館大学法学部卒業(首席で修了)。2018年弁護士登録(大阪弁護士会)。
2021年~2023年大阪女学院大学・短期大学非常勤講師。2022年~2023年立命館大学非常勤講師(民事訴訟法)。2023年~ 立命館大学エクステンションセンター 法科大学院(ロースクール)講師。2023年~株式会社エアトリ(東証プライム) 社外監査役。2024年~医誠会国際総合病院「観察・介入研究倫理審査委員会」外部委員。
「身元保証業界を変えたい」「身寄りのない高齢者の方に、信頼かつ安心のあるサービスを提供し、一番頼りになる存在となりたい」と思い、株式会社あかり保証を創業。