近年、急速な少子高齢化や核家族化の影響により、身寄りのない高齢者、いわゆる「おひとりさま」の存在が珍しくなくなりました。
地域包括支援センターで勤務する中で、ケアマネジャーである私は多くの高齢者の方々と向き合ってきましたが、「おひとりさま」が抱える課題は複雑かつ深刻です。
今回は、私が実際に関わったひとつの事例をもとに、今後ますます必要とされる「身元保証サービス」の重要性について考えてみたいと思います。
目次
■地域包括支援センター勤務時に経験した身元保証を活用すべきだった事例
相談が寄せられたのは、75歳の男性・Aさん。長年独身を貫き、両親や兄弟姉妹もすでに他界。親戚付き合いもなく、“おひとりさま”の方でした。
Aさんは軽度の認知症の診断を受けた後、徐々に日常生活に支援が必要となり、訪問介護とデイサービスの導入を希望されました。
しかし、ここで問題が生じます。
介護サービスの利用契約を結ぶには「緊急時の連絡先」や「身元保証人」が求められることが多いのです。
Aさんにはそれを引き受けてくれる家族も知人もいません。入院時や施設入所時の保証人もいないため、医療・介護のサービス提供者側も不安を抱き、手続きが進みませんでした。
私たちは自治体や地域の福祉関係者と連携しながら、担当のケアマネジャーが緊急時の連絡先として対応するなどして何とか最低限の支援をつなぎましたが、限界を感じざるを得ませんでした。
「このままでは何かあったときに、誰も責任を持てない」。そんな不安が、常にAさんの周囲に影を落としていたのです。
■身元保証サービスが果たす役割
このような事例は、今や例外ではありません。ひとり暮らしで頼れる人がいない高齢者にとって、病気や事故など「もしものとき」に備える手段が必要不可欠です。
そこで、注目されるのが、「身元保証サービス」です。
身元保証サービスとは、主に以下のような役割を担います。
• 医療機関や介護施設との契約時に必要な身元保証人の代行
• 緊急時の連絡・対応
• 入退院や施設入所時の支援、手続き代行
• 死後の事務手続き(遺品整理や納骨等)まで含む包括的な支援

Aさんのようなケースでは、このサービスがあれば、必要な介護サービスをスムーズに利用できただけでなく、「自分が倒れても誰かが対応してくれる」という心理的な安心感も得られたはずです。
■現場の課題と制度の隙間
現在の制度では、身元保証サービスはあくまで「民間」の取り組みに依存しており、自治体ごとの認識や支援の差も大きいのが現状です。費用負担の問題や契約内容の透明性、悪質な事業者のリスクなど、まだまだ課題は山積しています。
また、地域包括支援センターとしてできることは限られており、「地域での支えあい」と言いつつも地域資源や市町村の取組みなどに差がある現状があります。
現場の職員は制度のはざまで孤立する高齢者を前に、無力感を覚えることもあります。「家族がいない」という理由だけで、必要な医療や介護を受けられない現状は、決してあってはならないはずです。
■まとめ
Aさんのケースでは、地域内の見守りサービスや公的サービスを受けながら、一人暮らしを続けられました。制度や家族に頼らない「支え合いの仕組み」としてケアマネジャーとして優良な身元保証サービスを理解しておくことが必要です。
また、ケアマネジャーがすべて担うのではなくチームケアを検討し適切な公的、民間サービスの活用を進めることも重要です。
高齢者の方々の尊厳を守り、誰もが安心して老いることができる社会に向けた鍵の一つが、「身元保証」というサービスだと考えます。
■優良な事業者として「あかり保証」という選択肢を
「あかり保証」は、運営母体が弁護士・司法書士等の士業という、数少ない高齢者等終身サポート事業者です。契約時の説明・実際の業務についても、士業によってなされています。
また、士業が母体となることで、公正証書の作成等の契約手数料を外部委託する必要がなく、自社で対応可能なため、シンプルかつ手頃な料金体系でサービスを提供することができます。
加えて、利用者様の預託金は、信託口座で管理しているため、万が一の場合でも安全に保管されます。さらに、大手身元保証事業と異なり、「あかり保証」は寄付を一切頂戴しておりません。
政府のガイドラインの全事項を遵守している「あかり保証」は、見守りサービスの事業者様、介護事業者様とも連携して、あかり保証内の看護師・ケアマネジャーとともに、利用者様の意向に寄り添った幅広いサービスをご提案しております。
身元保証に関する相談などは、下記からお気軽にお問合せください。ご相談料は無料で、弁護士・司法書士・ケアマネジャーが対応いたします
監修者
■株式会社あかり保証 生活支援スタッフ ケアマネジャー・介護福祉士 砂原 仁(HITOSHI SUNAHARA)
鳥取県で、介護福祉士・ケアマネジャーとして、医療法人、社会福祉法人での勤務や地域包括支援センターの管理者を務める中、地方が抱える問題の一つとして、一人暮らしであったり、子供と疎遠で連絡がつかなかったりする高齢者の住処が定まらない身元保証の問題を肌で感じました。
高齢化が進み、多様な家族形態がある現代で、高齢者が安心して生活するために自身にできる事がないかと考え「あかり保証」に参画しました。
高齢者本人だけでなく家族、病院、施設、地域が笑顔になれる様に連携を深めサポートさせていただきます。
■株式会社あかり保証 代表取締役 弁護士 清水 勇希(YUKI SHIMIZU)
2016年11月司法試験予備試験合格(大学4年時、21歳時)、2017年3月立命館大学法学部卒業(首席で修了)。2018年弁護士登録(大阪弁護士会)。
2021年~2023年大阪女学院大学・短期大学非常勤講師。2022年~2023年立命館大学非常勤講師(民事訴訟法)。2023年~ 立命館大学エクステンションセンター 法科大学院(ロースクール)講師。2023年~株式会社エアトリ(東証プライム) 社外監査役。2024年~医誠会国際総合病院「観察・介入研究倫理審査委員会」外部委員。
「身元保証業界を変えたい」「身寄りのない高齢者の方に、信頼かつ安心のあるサービスを提供し、一番頼りになる存在となりたい」と思い、株式会社あかり保証を創業。